石灯籠の灯りを守る、小さな建具

石と木。一見対極にあるような二つの素材を調和させた、石灯籠の中の小さな建具を製作しました。

手のひらサイズの小さな建具だからこそ、ミリ単位の狂いも許されません。
一本一本の細い木部材に、慎重に墨付けを行い、細かくパーツを切り出していきます。

切り出した部材に、ノミなどの道具を使って細かな「仕口(接合部)」を彫り込んでいきます。
普段手がける大きな建具とは異なり、指先ほどの小さなパーツを傷つけないよう、職人の繊細な技術が求められる工程です。

加工を終えたパーツを一度組み立ててみます。
格子の美しさ、左右のバランス、そして何より石灯籠の開口部にぴったりと収まるよう、寸法の微調整を重ねて仕上げていきます。

できあがった小さな建具を、いよいよ石灯籠の中へと納めます。
石肌の持つ力強い質感の中に、削り出されたばかりの美しい木の格子が、驚くほど自然に溶け込みました。

石灯籠の中に、温かみのある木の空間が生まれました。
石の冷たさと木の温もりが静かなお庭の中で調和し、これから先、風や雨から小さな灯りを優しく守り続けます。